東京都立大学大学院 経営学研究科(MBA)合格体験記
備忘録的に東京都立大学大学院 経営学研究科(MBAプログラム)の合格体験記を書いてみようと思います。早稲田や慶應と違って、東京都立のMBAの合格体験記はネット上でもあまり見かけないため、少しでも受験を検討されている方の参考になれば幸いです。
さて同校では研究計画書の提出に加え、筆頭試問(小論文)と口頭試問が課されます(2020年11月現在)。そこで下記目次の通り、まず研究計画書をどう書いたか、そして試験対策(筆頭・口頭)、どのようなスケジュールで準備を進めたか、最後に少し私も迷った受験予備校の必要性を紹介していきます。
研究計画書の書き方
2020年9月度入試の場合は、
(1)志望理由(なぜ経営学を学びたいか、なぜ本学経営学プログラムを志望するのか)
(2)研究計画
①研究テーマ(修士論文もしくは課題研究のテーマとして考えていること。リサーチ・クエスチョンの形になっていることが望ましい)
②研究の意義(その研究テーマにどのような学術上、あるいは実務上の意義があるのか)
③研究テーマに関連してこれまでに論文や専門書等で学んだこと、自分で調べたこと(これまでに読んだ主な文献やアクセスした情報のリストを付すこと)、関連した職務経験など。
④今後の研究計画(研究を進めていくにあたって今後どのような取り組みが必要か。履修すべき科目、読むべき文献、習得すべき研究手法、アクセスすべきもしくはアクセス可能な情報源など)
が求められました。研究計画書作成の上で参考になったのはこちらの書籍です。
私が受験した東京都立の対策はこちらの本には掲載されていませんが、国内MBAの中では比較的アカデミックな筑波、神戸の対策が参考になりました。実際に両校に合格した方の研究計画書が掲載されているのでおすすめです。
口頭試問でも研究計画書に沿って質問がされますので、作り込むことが大切です。2020年9月度入試の際は事前に入試説明会が実施されました。在校生や教授からの話があり、そこでの情報は志望理由を書く際にとても参考になったので、参加することをおすすめします。私の志望理由は下記記事にめちゃくちゃカジュアルに書いていますので、参考まで。
難しいのはなんといっても研究計画でしょう。私はテーマ選びにとても苦戦しました。試行錯誤した結果、従事している仕事での課題に直結しているテーマにしました。テーマ選びに迷っている方は、是非仕事での課題から昇華させる形でテーマを探してみると良いと思います。
ただ研究計画書では「学術的意義」が求められます。私はここが甘く、口頭試問でも深く聞かれ、答えに窮してしまいました。。ここをしっかり詰めきれていると、かなりレベルの高い研究計画書と言えるのではないでしょうか。
先行研究はかなり読み込みました。自分が選んだテーマがすでに研究されているようであれば、意味はないですからね。。7月はまるまる先行研究の調査に時間を費やしました。そのおかげで研究テーマもある程度シャープになったのではないかと思います。
私は学部時代、論文をゴリゴリ書くアカデミック志向なゼミに所属していたので、そのときの経験がかなり活きてきましたね。当時の恩師には感謝してもしきれません。
「経営学の研究」という観点では下記3冊も参考になると思います。
特におすすめは1冊目の「リサーチ・デザイン 経営知識創造の基本技術」(田村,2006)です。本書は主に経営学を学ぶ大学院生を対象としているので、 そもそも「リサーチとは何か」から始まって「リサーチデザインの基本型」や「変数による思考」「因果推論技法」まで取り上げられているので、実証研究の理解を深めることができるでしょう。また先行研究の論文を読んでいく上でも、特に「変数による思考」は役に立ってくるはずです。
筆頭試問の勉強方法
経営戦略論、経営組織論、マーケティング、会計学、マネジメントサイエンス、 数学から一科目を選択し、解答をせよ、という形式になっています(2020年11月現在)。詳細はHPに過去問が公開されているので、見ていただければと思いますが、いずれも知識がないと解けません。私は5月にはじめて過去問を見て、一応学部は商学部ながら「む、難しい......!」と思ってしまいました。私は「経営組織論」に絞って対策を進めました。特に参考になったのはこちらです。
基本的にはこの3冊を読み、ノートにまとめ、過去問を解く、ということをずっと繰り返していました。過去問は3〜4回は解きました。私は上記3冊に加え、下記も読みましたが、難易度は高いので基本的には上記3冊を何度も読めば大丈夫かとは思います。
口頭試問の対策
実はあまり対策をしておりません。。本職が営業職で人と話すことは慣れていましたから、「なんとかなるだろう」という気持ちがあったのです。
強いて言えば、
1.入試説明会に出る
2.研究計画書を作り込む
ことだと思います。
1点目については「なぜ東京都立なのか?」という質問に対しては説明会に出ないと、なかなか回答が難しいだろうと思うからです。HPの情報も充実はしていますが、やはり教授陣や学生さんの雰囲気を知るには説明会が一番です。2点目については基本的に研究計画書に沿って質問されたからです。なのでしっかりと作り込みと同時に何を書いたかをソラで言えるくらいに準備しておけば良いと思います。
また身も蓋もないですが、最終的には「熱意」が大事になってきます。私の場合は東京都立しか受けていませんでしたので、「東京都立で学びたい!」という気持ちをしっかりとアピールしました。
スケジュール
ざっくりですが、どんなスケジュールで準備を進めたのかを紹介します。
■3〜4月:大学院受験を検討し始める。各校の情報収集。
■5月:東京都立大学大学院の受験を決定。読書主体で勉強開始。
■6月:過去問を解く一方で、テーマ検討。
■7月:テーマを決定し、先行研究の調査。研究計画書の作成。
■8月:ひたすら過去問を解いて、読書主体で勉強。
予備校の必要性
国内MBA専門の予備校がいくつかありますが、私は通わずに合格しました。理由の1つは予備校に通うとやはり10万円〜30万円くらいはかかってしまいますので、そのコストを惜しんだということ。もう1つは前述の通り自身が商学部出身でそれなりにアカデミック志向のゼミに所属していたので、何とかなるだろうと思ったからです。ただ予備校に通えば要となる研究計画書の添削もしてもらえるだろうし、仲間も増えるでしょうからお金に余裕があれば通ったほうがいいと考えます。自分で対策を練るよりも効率的に受験を進めることができると思います。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。
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